サプリメント基礎知識

サプリメントの効果の調査方法

世の中には様々な効果を謳ったサプリメントがありますが、そもそもサプリメントの効果ってどのように調べられているか知っていますか?

この記事では、その調査方法について簡単に説明します。

サプリメントの効果の調査方法

サプリメントの効果調査方法は、昔に比べて進歩しています。「緑茶を飲んでいる人は胃ガンになりにくい」という仮説を例にして、それぞれの調査方法を解説してみましょう。

地域相関研究

お茶を良く飲む地域とあまり飲まない地域で、ガンの発生率を調べる方法です。実際に調査を行うと、確かにお茶を多く飲んでいる地域は胃ガンの人が少ないという結果が出ます。しかし、この方法では緑茶とガンの発症率に因果関係があるのか、たまたま相関関係があるだけなのか判断できません。

例えば、「海賊の数が減るにつれて、同時に地球温暖化が大きな問題となってきた。したがって、地球温暖化は海賊の減少が原因だ。」というのは明らかにただの偶然の一致で、因果関係があるはずがないと分かります。緑茶と胃ガンの関係についてもこれと同じでない保証はどこにもないのです。 

症例対照研究

ある地域でガンになった人とならなかった人で、緑茶を飲んでいた人がそれぞれ何人かを比較する方法です。過去へ遡って調べることから、別名「後ろ向き研究」とも呼ばれます。こちらも地域相関研究と同じく、多くの研究でガンになった人のお茶を飲む率は、ガンにならなかった人より低くなります。

この方法の問題点は、「様々なバイアスが入りやすい」ということです。地域住民の中でも特に調査に協力的で生活習慣も健康的な者を偏って選んだり,病院対照を選択する際に一般の住民より生活習慣の不健康な者を選んだりして,仮説要因と疾病との関連を正しく評価できない危険性があります(選択バイアス)。

コーホート研究

現在最も信頼性があるアプローチです。ある集団を調査対象の食べ物を摂取するグループと摂取しないグループの2つに分け、そして10年後にガンの発生率を比較することでその食べ物の影響を判定する方法です。症例対照研究が過去へ遡る「後ろ向き」の研究であるのとは反対に、こちらは未来まで追跡調査を行う「前向き」の研究です。こちらの研究法では、「お茶を飲むことは胃ガンの予防にもならないが、胃ガンを促進することもない」という結果になっています。

介入実験

くじ引き実験とも言い、これも信頼性は高いとされています。ある集団を無作為で2つのグループに分けます。一方には試験対象の食べ物を食べさせ、他方にはほとんど見分けがつかない偽物(プラシーボ)を与え、何年かのちにガンの発生率を比較するという方法です。筋トレ関連のサプリメントでは、最も多く使われている調査法です。

メタアナリシスの有効性

上で紹介した、コーホート研究や介入実験にしても、完璧とはいえないのは通常で、集団を構成する人たちの人種、地域、生活習慣など他の要因が入るので、どれほど厳格に集団を選別し、統計処理をしても、研究報告ごとに異なった結果になることは多々あります。そのように異なった結果がどの程度統計的に優位か、症例の人数は十分かといった点を比較考慮し、各々の結果の傾向をまとめて、ある結論を導き出すのが、「メタアナリシス」という分析方法です。

多くの研究者によって研究が行われれば、それだけメタアナリシスの精度も上がり、確かな効果の分析ができることになります。しかし、結局このような研究にも落とし穴はあるのです。

データには思惑が働く

サプリメントに関して実に多くの研究がなされていますが、こうした研究に対してサプリメントを販売する企業が資金提供をしている場合があります。当然「効果がある」という結果が出ることを期待して資金提供している訳ですから、研究結果の発表やデータの分析が企業に都合の良い論理で働くことがあります。無論企業から資金の援助を受けているからといってデータを改ざんするようなことはないでしょうが、「具合の悪いデータを公表しない」ということは十分にありえます。

すると、公表される研究データが「効果あり」のものに偏ってしまい、メタアナリシスの結果も「効果あり」という判定に傾きやすくなってしまうのです。データというのは利害関係のある人に都合の良いものが出される傾向にあるので、データが多くあるからといって盲信するのは避けた方が良いでしょう。

まとめ

有望視されているサプリメントについては多くの研究がなされていますが、研究には企業の思惑などが働くことがあります。流行に流されず、自分にとって必要なサプリメントは何かをよく見極めることが大切です。