サプリメント大図鑑

コエンザイムQ10

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コエンザイムQ10はエネルギーの生成に必要不可欠な物質であり、体内のエネルギー単位であるATP (アデノシン三リン酸) の産生に深く関わっています。また、強い抗酸化作用を持つことから、抗酸化物質としても注目されています。

コエンザイムQ10とは

基本情報

コエンザイムQ10は、かつてビタミンQといわれたビタミン様化合物です。肉類や魚介類などの食品に含まれている脂溶性の物質で、ヒトの体内でも合成されています。

引用元:http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail677.html引用元:http://hfnet.nih.go.jp/contents /detail677.html

コエンザイムQ10の「10」という数字は構造中のイソプレンという化学構造の繰り返し数を表しています。1つのイソプレンは5個の炭素からできており、10個のイソプレンは50個の炭素数になることから、コエンザイムQ10をコエンザイムQ (50) と表示することもあります。

生物界に広汎に (=ユビキタス:ubiquitous) 分布するキノン構造を有する物質であることから、ユビキノン (ubiquinone) と呼ばれることもあります 。

コエンザイムQ10の働き

働き① 生命維持・活動に必要なエネルギーを作る

生命維持・活動に必要なエネルギーは、細胞の中にあるミトコンドリアで作られます。このエネルギーの単位のことをATP(アデノシン3リン酸)といいます。

ATPは食事から摂取した『栄養素』と、呼吸で取り入れた『酸素』を利用して作られますが、このエネルギー工場(ミトコンドリア)で不可欠な成分が「コエンザイムQ10」です。

コエンザイムQ10は、酸化分解の過程(食品がエネルギーに変わっていく過程)において「潤滑油」のような働き(電子伝達)をします。したがって、コエンザイムQ10が十分に体内にあることで、エネルギー産生をスムーズに行うことができるようになります。

働き② 体内の活性酸素を除去する

人間の身体は呼吸から取り入れた酸素を利用してエネルギーを作り出していますが、その際に「活性酸素」が発生します。

活性酸素は内に侵入してきた細菌やウイルスと戦ってくれる身体の防衛システムも担っていますが、大量に増えすぎると疲労の原因となるほか、生活習慣病やガンを引き起こすとも言われています。

そうした活性酸素の害を防ぐために、CoQ10には抗酸化作用が付与されています。また、同じく抗酸化物質であるビタミンEが酸化された際に、リサイクルして再び使えるようにする働きもあります。

酸化型(ユビキノン)と還元型(ユビキノール)

コエンザイムQ10には「酸化型(ユビキノン)」と「還元型(ユビキノール)」の2種類が存在します。体内のCoQ10はほとんどが「還元型」ですが、サプリメントとして市販されているものはほとんどが「酸化型」です。

引用元:http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail677.html引用元:http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail677.html

実はエネルギーを産みだすためにも、抗酸化作用を発揮するためにも、コエンザイムQ10は還元型である必要があります。「酸化型」のコエンザイムQ10を摂取した場合は、体内で「還元型」に変換されてから効果を発揮しています。

しかし、加齢や病気、ストレスなどによりその変換能力は低下し(※1,※2,※3,※4)、体内の還元型コエンザイムQ10の割合は低下してしまいます。また、酸化型のコエンザイムQ10は吸収率が非常に低く、ある実験報告によれば、150mgのユビキノールを摂取した場合、それと同じCoQ10レベルを達成するためには、1200mgのユビキノンが必要だったとされています。(※5)

したがって、コエンザイムQ10は最初から「還元型」を摂取するべきです。還元型コエンザイムQ10は、吸収率が高い上に、変換の必要がなくそのまま働くので、特に年齢が高めの方、激しいスポーツをする方、ストレスを多くうける方にも効果が実感しやすくなります。

還元型コエンザイムQ10は発売当初はかなり高価でしたが、最近では海外メーカーから安価な製品が出ています。コエンザイムQ10のサプリメントを選ぶときは、是非とも還元型の「Ubiquinol(ユビキノール)」を選ぶようにして下さい。

コエンザイムQ10の効果

エネルギー産生の向上

コエンザイムQ10は、ATPをスムーズに作り出すための潤滑油として働くことから、十分量を摂取することによりエネルギー産生を向上させてくれます。

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これにより、パワーや持久力の向上脂肪燃焼の効率アップなどの効果が期待できます。

疲労回復

コエンザイムQ10を摂取によりエネルギー産生が高まることで、疲労からの回復も早くなります。

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また、抗酸化物質は活性酸素による細胞膜の損傷を防ぐことで筋肉の炎症を抑制するので、筋トレ後の回復を促進する効果も期待できます。

血行促進

CoQ10は血行を改善する効果も高く、その作用はNO産生を改善するところにあるようです。(※6) 血行が良くなることで、筋肉に輸送されるアミノ酸、炭水化物、成長ホルモン、酵素、テストステロンなどの量も増加し、筋肉の成長を促してくれます。

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おそらくはアルギニンやシトルリンとの相乗作用が期待でき、NOサプリメントにユビキノールが追加されるようになるかもしれません。

コエンザイムQ10に関する主な研究報告

【1】100名のベテラントレーニーのドイツ人に還元型のコエンザイムQ10を一日300mg、6週間に渡って摂取させたところ、対照群に比較して2.5%のパワーアップが起こった。(※7)

【2】40名のⅡ型糖尿病患者にコエンザイムQ10を一日200mg、12週間に渡って摂取させたところ、血流改善により上腕動脈が1.6%拡張した。(※6)

コエンザイムQ10の摂取方法

摂取タイミング

コエンザイムQ10は脂溶性なので、脂質を含んだ食事と一緒に摂取することで吸収率が高まります。空腹時の摂取は避け、食後に摂取するようにしましょう。

また、摂取後5、6時間をピークにコエンザイムQ10の血中濃度が下がるため、1日に1回まとめて摂取するのではなく、2、3回に分けてこまめに補給するのがより効果的です。

摂取量

コエンザイムQ10の推奨量は100~300mgとされていますが、600mgの摂取でも全く問題はなかったようです。(※7)

健康目的なら一日300mg、パフォーマンス向上や体脂肪燃焼も目指す場合はその倍の600mgを目安に摂取しましょう。ただし年齢や個人差があるため、適切な量を自分で見極めて摂取する必要があります。

コエンザイムQ10と合わせて摂りたいサプリメント

ビタミンE

コエンザイムQ10には、同じく抗酸化物質であるビタミンEをリサイクルして抗酸化作用を保つ働きがあります。そのため、この2つは一緒に摂取することでより高い抗酸化作用が得られます。

コエンザイムQ10の副作用

エンザイムQ10はそもそも人間の体内にある成分です。安全性は極めて高く、体質に合わないなどの副作用もほとんどないとされています。そのため、上限値も設定されていません。

おすすめのコエンザイムQ10

Now Foods Ubiqinol 

上述の通り、還元型コエンザイムQ10のユビキノールを選びましょう。Now社のユビキノールは安いのでおすすめです。

参考文献

※1:

Lopez-Lluch et al, AGE 27:153, 2005

※2:

Shih et al, Biogerontl 8:71, 2007

※3:

Lim et al, Diabet Med 23:1344, 2006

※4:

Lim et al, Atherosclerosis 196: 966, 2008

※5:

山本義徳, エビデンスによる最新ボディメイク-【博士のダイエット&バルクアップ研究所】,Vol.172

※6:

Coenzyme Q(10) improves endothelial dysfunction of the brachial artery in Type II diabetes mellitus. Diabetologia. 2002 Mar;45(3):420-6.

※7:

Ubiquinol supplementation enhances peak power production in trained athletes:a double-blind, placebo controlled study. J Int Soc Sports Nutr. 2013 Apr 29;10:24. doi:10.1186/1550-2783-10-24. eCollection 2013.